自立訓練の対象者とは?どんな人が自立訓練を受けられるのか解説!
自立訓練とは、障害を抱えている人が自立した生活を送るための力を養う訓練のことです。事業所を訪れたりスタッフが自宅を訪問したりして、一緒に家事や金銭管理、体力づくり、マナーを身に付けるためにさまざまなプログラムをこなします。今回は自立訓練の対象者や受けるメリットについて解説します。
自立訓練を受けられる人とは
自立訓練の対象者は、基本的には自分の力だけで生活するのが困難な障害を抱えている人になります。そのほかにも、病気や怪我で長く入院した結果生活能力が低くなってしまった人や、特別支援学校を卒業した人も含まれます。
また、自立訓練を受けることにより状態が安定する人が対象になることも。身体障害や知的障害、精神障害、難病で体をうまく動かせない人は、自立訓練によって適切な生活能力を身に付けるのです。
介護不要な人でも受けられる
自立訓練は障害を抱えている人や病気・怪我によって体力が著しく低下した人が受けるものです。しかし、それ以外の人も受けることができます。
たとえば、就職したものの周囲になじめなかったりセクハラやパワハラによって精神的にダメージを受けてしまったりした若い人が、再度就職するためのスキルを身に付ける場所でもあります。事業所によっては社会に出て挫折してしまった人の社会復帰をサポートしてくれることもあるため、偏見を持たず正しい知識をもって利用を検討してください。
年齢制限があるケースも
一般的に自立訓練は18~65歳の人が対象になっています。ただ、利用する事業所によっては18歳未満の人の発達を促す訓練を受けられる場所もあるため、気になる点や疑問点がある方は実際に電話やメールで問い合わせてみましょう。
自立訓練はいつまで利用可能なのか
自立訓練を受けられる期間は原則2年間と決められています。ただ、長期間入所・入院していたなど特別な理由がある場合は3年間に延長可能です。また、2年間自立訓練の生活や体力、コミュニケーション系のプログラムを受けた後に、就労系のプログラムへ移行する場合は合計で4年間受けられるケースも存在します。
必要に応じて事業所に尋ねるか管轄している市区町村に申請を行い、期間を延長してください。利用する事業所によっては、自立訓練が終了して自分で生活を始めた後も一定期間サポートや相談に対応してくれるところもあります。自立訓練にどのような内容が含まれているかよく確認し、必要に応じてアフターケアなどのサービスが充実している事業所を選ぶことが重要です。
自立訓練を利用するメリット
自立訓練を利用することで、自分のことを自分でする力が身に付きます。家事や身だしなみ、公共交通機関や施設の利用方法が身に付くのはもちろん、体力づくりを行い丈夫な体へと導いたり生活や社会のマナーを身に付けたりすることも可能です。
自分にとって何が難しいのかという悩みをほかの人と共有するだけでも、社会に向き合っていく力になるでしょう。また、自立訓練を受けることで同じように頑張って訓練している人たちと触れ合えます。同じ目標を持って頑張っている仲間がいることは、必ず心の支えになります。
最初は難しくてできなかったことも、自立訓練を受けて徐々に自分の力でできるようになっていくのです。そうして、1人で生活する能力が身に付けば家族や周りの人も安心できます。訓練を受ける人はもちろん、周りの人のためにもなっていくのが自立訓練です。生活能力と体力が向上すると精神面の安定につながります。
自立訓練を利用するときの流れ
自立訓練を利用したいと考えている場合、まずは自分が住んでいる市区町村の障害福祉窓口に連絡し、通いやすい場所にある事業所を教えてもらってください。利用する事業所によって受けられるプログラムやサービスの内容が異なるため、実際に見学することをおすすめします。
また、利用する人によってどのようなプログラムが必要なのか、優先順位をきちんと決めておきましょう。見学や体験によって入所したい事業所が決まったら、障害福祉サービス受給者証を交付してもらいます。申請してから審査が通るまではおよそ1~2か月かかるため、早めに行動することをおすすめします。障害福祉サービス受給者証を受け取った後は、利用したい事業所と契約を結び自立訓練スタートです。
まずは体験してみる
自立訓練を利用すべきかどうか迷っている方もいるかと思います。その時は、自分にとってどのような能力が必要なのか、自立した生活を送るためにはどうすればよいのかを考えてみましょう。
そして、本人または家族から見て1人で生活するのが難しいと判断した場合、積極的に利用してください。そのためにも、まずはお住まいの市区町村の福祉課に連絡して事業所を見学・体験してみることが重要です。
まとめ
自立訓練の対象者について説明しました。自立訓練は障害を抱えた人や病気・怪我によって生活能力が低下してしまった人だけでなく、社会生活に挫折してしまった人も受けることができます。2年間プログラムをこなすことで、自分でできることの幅が広がっていきます。受ける人はもちろん家族のためにも自立訓練を利用して、生活能力や体力を向上させましょう。