障がい者でもひとり暮らしは可能なのか
障がいがある人でも一定の条件を満たすことでひとり暮らしは可能です。症状が安定しているほか、自己管理能力が高い必要があります。そこで本記事では、障がいがある人がひとり暮らしするために必要なことや、注意点をまとめました。サポートを受けられる制度についても紹介します。
ひとり暮らしをするのに必要なこと
障がいがある人がひとり暮らしするうえで大切なことを3つ紹介します。自分をコントロールし、管理する能力さえあれば、十分暮らしていけるでしょう。
お金の管理
お金の管理ができるかどうかは重要です。安定した収入を得ながら、生活費の管理をしなければいけません。光熱費の支払い・生活必需品の購入・食費の計算など、支出を把握しておく必要があります。
もし、ひとりで管理できないのであれば、ひとり暮らしは厳しいでしょう。収入に関しても、好不調の波があり計画通りに稼げないことも考えられます。そういったときは、国が定めている制度を活用してください。
たとえば、病気やケガで障害が残った場合は、障害基礎年金が受け取れます。また、特別障がい者手当は、条件に該当すれば月2万7,000円ほど支給されます。自力で安定した暮らしができればベストですが、支援制度を利用することも検討してください。
生活管理
生活管理も重要です。自閉症やADHDを抱えている人には難しいことがほとんどです。特徴として、物事に強いこだわりがあったり、忘れ物が多かったりします。生活マナーを守れず、近隣とのトラブルに発展し警察沙汰になることも考えられます。
また、ゴミ出しの場所がわからず部屋にためこんでしまうこともあるでしょう。安定した生活を送るためにも、自分自身をどの程度コントロールできる状態にあるのかが重要になります。
健康管理
健康管理は命にかかわることなので大切です。医療機関に対する抵抗感から、病院に行けない人がいます。病院に行かなければ薬を服用できなかったり、健康状態の確認ができなかったりします。
ひとりだと周りに助けてくれる人がいないので、取り返しのつかないことになりかねません。また物事に対する強いこだわりから、一日中ゲームをしてしまう人がいます。昼夜逆転してしまい、生活リズムが乱れてしまいます。健康にも悪影響なので管理できる能力が必須です。
障がい者がひとり暮らしは可能か
この章では、ひとり暮らしするうえでの注意点を解説します。賃貸契約ができなかったり、サポートしてくれる人がいなかったりする場合もあります。また、自身の症状の程度も重要になってくるでしょう。
ひとり暮らしできるか見極める
ひとり暮らしをする前に、症状の程度を把握しましょう。安全にひとり暮らしをするために、無理は禁物です。障害を理解したうえで本当に可能なのか見極めましょう。自身を客観視するのが難しければ、ご家族と一緒に話し合ってください。
話し合ったうえで不安なのであれば、実家にいるうちから家族のサポートなしで、すべてのことをひとりで行ってみましょう。ひとり暮らしをイメージしながら、洗濯・掃除・買い物をこなしてください。
助けなしでできるのであれば、ひとり暮らしする自信になります。自分が抱える障害の程度を把握し、本当に可能なのか判断してください。
審査がとおりにくい
民間の賃貸物件を借りようとしても、なかなか見つけられないことがあります。障がいがある人は審査に通りにくいからです。貸す側からしても、本当に支払い能力があるのか、近隣とトラブルになるのではないかと不安になります。
障害を理由に審査に通さないことは法律で禁止されていますが、理解がすすんでいないのが現状です。症状の程度によるので、決して借りられないわけではありませんが、入居までに時間がかかるケースがあります。
サポートは受けられるのか
サポートを受けられれば、ひとり暮らしのハードルが低くなります。万が一の備えになったり、心強い相談相手になったりするからです。たとえば、訪問看護やデイケアを利用すれば障害を抱えていても安心です。
サービスの利用に加え、親や兄弟が定期的に訪問してくれるのであれば心強いでしょう。トラブルがあってからでは遅いので、サポートしてくれる人がいるかどうかは重要になります。
ひとり暮らしを始める前に相談できる場所
最後の章では、何かあった場合に頼れるサポートについて紹介します。相談できる場所があれば困ったときでも安心です。
自治体の福祉担当窓口
自治体の福祉担当窓口は、障がいがある人の相談に応じ、自立した生活を送れるよう支援します。たとえば、外出するための移動をサポートしたり、安価に住居を提供したりします。何か困りごとがある場合は、まずは自治体の窓口に相談してみるとよいでしょう。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害のある人向けに支援を行っています。保険・医療・福祉などと連携しているので、総合的なサポートを受けられます。福祉制度の説明や、利用方法を具体的に教えてくれるので活用してみましょう。
日常生活自立支援
日常生活自立支援は、日常生活における不安や困りごとを解消してくれるサービスです。
福祉サービスの手続き方法や金銭管理など、生活していくなかで生まれた疑問を解決してくれます。些細なことであっても相談すると悩みが解消されるので、積極的に利用してください。
まとめ
本記事では、障がいがある人がひとり暮らしするうえで必要なことや、注意点について解説しました。お金の管理や健康管理など、ひとりで生活するためには自分をコントロールする力が必要です。
また、自分の症状を正確に理解し、自立できるかどうかを判断してください。親や兄弟と相談したうえで慎重に決めるとよいでしょう。相談できる自治体の窓口もあるので活用してみてください。